ウェブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
いつもフェラーリ F40 メンテナンス御依頼誠に有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたフェラーリ F40を積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
今回も、ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
フェラーリ F40 チェック開始準備の為、リフトセクションへと…
リフトUP。
チェック開始です。
フェラーリ F40。
1987年末、フェラーリ創立40周年の記念モデルとして、当時89歳だったエンツォ・フェラーリ自身によりマラネロでプロトタイプが公開され、同じ年の9月に開催されたジュネーブ・ショーで正式に発表されたF40。
当初発表された予定生産台数は400台でしたが、殺到するオーダーを予測し、急遽増産。
結局1992年の生産終了までに1311台がラインオフ。
正規輸入車は59台、その内ストラダーレモデルが58台。
コンペティツィオーネ(F40 LM)が1台。
フェラーリ社内では「ル・マン」と呼ばれ、F1ドライバーのミケーレ・アルボレートも開発に携わったモデルでも有名ですね。
ボディ各部は当時開発されたばかりのカーボン、ケブラーで構成されています。
構造部接着剤といった、こちらも当時の最新マテリアルを組み合わせ、コックピットを囲むようにフレームへ固定した半モノコック構造のF40。
心臓部は、3.0L V8気筒32バルブにIHI製 ターボチャージャーをツインで武装。
288GTOのコンペティションモデル 288GTO Evoluzioneから引継ぎ、改良を加えた強力なインタークーラー式ツインターボ F120A型エンジン。
実はこのエンジンはランチアのグループCカーLC2のデチューン版。
最高出力は484ps。
F40、208、288GTOなど、ターボチャージャーの心臓部には必須のチェック項目があります。
フルパワーを100%発揮出来る状態であるかどうか…….
基本に問題が有るとエンジンブローも引き起こしかねません。
インジェクションシステムは、α-N タイプ。
TipoF120A 型パワーユニット、ターボシステムの基本原理や構造を熟知したエンジニアが細部までチェックします。
常に、私たち独自の思想また目線でメンテナンスを行わせて頂いている車輌。
よいコンディションです。
センターロックホイール ピッチのクリーニングアップ。
ピッチ間をクリーンな状態から専用SSTで確実にロックを解除。
続いて、メカニカル関連のチェック。
年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
フェラーリ F40の傾向的不具合発生ポイントのチェック。
また車輌のコンディションを整える為の独自のチェックへと。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの一部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解が、ある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返し車輌より受ける衝撃や、常に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
指定交換に列記されているパーツでも必ず交換しないといけない訳ではありません。
素材や構造を知り尽くしたエンジニアが、的確にチェックし判断します。
車輌はさまざまなパーツや機構で構成されていますね。
メカニカルまた、エレクトロニクス ボディー構成などなど…
書ききれない複雑な機構を組み合わせ1台の車輌として構築されています。
車輌毎に傾向的不具合も存在し、指定交換が促されているパーツも存在します。
車輌の使用状況や用途、保管状態で車輌のコンディションは千差万別です。
また、これまで車輌がどの様な考え方でチェックされてきていたか、どのような工法でリペア&メンテナンスを受けてきたか?
壊れた箇所のリペアだけではなく、車輌のコンディションを整えていくというメンテナンスが的確に行われてきた車両か否か?
色々な状況で、リペア、メンテナンスポイントが違ってきます。
状況によってパーツ寿命が長くもなりまた、短くもなります。
全て1から、独自の思想また目線で的確なチェックを行います。
全てデータ管理させて頂いている車輌。
今回はタイミングベルトの交換時期になります。
タイミングベルトの指定交換時期は、モデルに関わらず手厚く保管されている車輌でも、3年もしくは2万キロどちらか先に達した時点で交換が必須。
(たとえば3年で0kmの走行でも交換。また6ヶ月で2万キロの走行でもその時点で交換。)
指定交換時期を越え使用し続けた場合、ベルト本来の強度が奪われバルブクラッシュを引き起こします。
現状のサスペンションシステム。
外部からの要因また、対応年数の超過で完全に劣化し切っているサスペンションブッシュ。
サスペンションブッシュとしての役割を完全に消失してしまっている状態です。
車輌の基本骨格でもあるフレームに多大なダメージを与える部分の1つ。
サスペンションブッシュ。
パーツ構造体として機能が使用に耐えられなくなる状態が発生し車輌にダメージを与えてしまいます。
サスペンションブッシュの役目は、路面からの凹凸の衝撃を、タイヤやサスペンションで吸収できなかった残りの衝撃や入力を、車体の基本骨格であるフレームに入力されることを防ぐ役割。
衝撃からフレームやボデーを守る、非常に重要な役割を担うのがサスペンションブッシュ。
また、ステアリング特性では、前後左右に荷重が掛かったときアームが簡単にヨジレ、ロールしやすくなります。
しかも急激に車体がロールしアライメントが崩れダブルウィッシュボーンのメリットが崩れデメリットばかりが大きくなります。
経年劣化によるヘタリが、許容範囲を超えて落ち込んだり、亀裂が入ってしまうと、ボデー全体に振動が直接入力され、常にの衝撃で、ボデーまた、フレームのねじれや、結合部の破損など、車輌の基本骨格へ致命的なダメージを与えます。
見逃されがちなサスペンションブッシュ。
車輌にとって非常に重要な個所ですし、交換する事でフレームを確実に守り、またドライバビリティも格段にアップします。
クラッチ系統に若干レスポンスの悪さが...
トラブルシューティング開始です。
ピンポイントで確実なリペア方法を確定します。
次に、なぜレスポンスが悪化しているのか?
レスポンスの悪化を引き起こしている主原因は?
これらの要因を特定します。
このプロセスが非常に重要です。
ジョイント部分に若干のオイル滲み。
今回はクリーニングアップを行い、今後の進捗状況を見極めます。
続いてエアコンのトラブルシューティングへと。
エアコンガス圧力が規定値より著しく低下している状態。
エアコンガス漏れが発生しています。
クーラーガスが足らないとガスのみ補充される場合をよく見受けます。
安易にエアコンガスを注入するのは、エアコン系統に多大な2次的ダメージを与えます。
これは人災です。
エアコンの構造上ガス漏れは、コンプレッサー潤滑用のオイルと同時に大気開放します。
エアコンガスを補充する事で、更にオイルが無くなる方向へと促進されます。
根本の主原因のガス漏れが直っていない訳ですから…
ついにはコンプレッサーの焼き付を引き起こします。
そこまでに至ると、焼き付いたコンプレッサー内部構成パーツの破片がエアコンライン内に飛散し、多大なダメージを引き起こします。
なので、エアコンガス圧が低下しエアコンが効かない場合、安易な補充は避けるべきです。
ガス漏れが発生している不具合ポイントを、確実に見極めリペアすることが必要です。
また、エアコンの1番の大敵は湿気です。
ガス漏れが発生しているということは大まかに言うと、漏れ出す穴が開いているという事。
その穴から湿気の混ざった大気がエアコンラインの中に混入します。
夏 冬また、エアコンを使用する しないに関わらず、放っておくとエアコンラインの中に大気(同時に湿気も混入します。)がエアコンガスの変わりに入り込みます。
他車輌の画像ですが、このような状態に…
大気の湿気だけで十分エアコンライン全体の内部にアルミ特有の錆が発生します。
錆が発生するとパイプの強度が低下。
1つの不具合が全体のパーツに悪影響を及ぼします。
その場合、穴の開いているポイントを的確にリペアしても、強度不足に至ってしまった他のエアコンパーツからガス漏れが発生するといういたちごっこになってしまいます。
それだけは避けたいものです。
車輌 フロント インテリア内 フロアー ユニット等々に巡っているエアコンライン。
また、制御パーツからのガス漏れポイントのトラブルシューティングに入ります。
ガス漏れポイントのトラブルシューティング。
車輌全体に巡らされているエアコンパイプやパーツを、全て専用機器を使用しリークポイントを的確にチェック。
ここでの誤診は致命的です。
専用機器は数種類完備します。
漏れの大小で全ての機器を使い分けます。
赤外線での設備も完備。
最先端の設備とエアコンの基本構造を熟知したエンジニアがトラブルシューティングを実施。
確実にリークポイントを特定します。
専用機器での的確なトラブルシューティング。
エアコンガスは、劣化しません。
よくエアコンガスの入れ替え等、薦められる場合がありますが、全く意味の無いものです。
漏れ等が発生しない限り、半永久的に使用できます。
車輌全体を項目毎にチェックし、問題の所在を的確にピックアップします。
全てのチェック終了後、客観的ではなく主観的に見た、車輌を向上させる為のより良きメンテナンスメニューを組み立てます。
全てのチェックが終了したフェラーリ F40。
確実に現状の車輌の状態を把握し切らせて頂きました。
現状の車輌の状態を分かり易くまとめ御連絡させて頂きます。
お打ち合わせさせて頂き決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
フェラーリ F40 リペア&メンテナンス開始準備の為、リフトセクションへと…
リペア&メンテナンス開始です。
まず、クリスタルの様な繊細なインテリアの分解前に、クリーニングアップを行います。
通常隠れた場所には、塵や埃、またジュース等こぼれた染み等が隠れています。
そのままでは、塵や埃の汚れ、ジュースの染み等で繊細なインテリアを汚してしまいます。
まずコックピットの塵や埃、染み等のクリーニングアップに入ります。
コックピット クリーニングアップ後の画像。
スッキリ細部までクリーンに。
クリーンな状態から、クリスタルの様な繊細なインテリアを丁寧に分解していきます。
クリーンな状態からコックピット プロテクターを装着。
リペア&メンテナンスに伴い独自のコックピット プロテクターを装着。
一切の汚れの付着などを完璧にシャットアウトします。
各モデル、また部分毎に完備しているコックピット プロテクター。
常に、私たち独自の思想また目線でメンテナンスを行わせて頂いている車輌。
非常に良いコンディションです。
分解前のクリーニングアップ開始です。
ボルト、ナット1つまで、クリーニングアップ。
クリーンな状態から分解することで、ボルト、ナットにストレスを掛けず、ロックを解除しボルト&ナットのピッチを保護します。
全ての部位に対しクリーンな状態から。
これが私たちが行うリペア&メンテナンスのスタンスです。
パワーユニットからメンテナンス開始です。
現状のパワーユニット フロント側からの画像です。
中々オーナーが目にする事の無い隠れた部分には、塵や埃、また油汚等が蓄積しています。
まず、分解前にパワーユニットに付着している細かな砂や塵を、一度全てクリーニングアップします。
これは、作業中に砂や塵がパーツ内部へ混入することを避ける為。
また、分解するボルト、ナットetc.再使用パーツ保護の為に行います。
また、見た目にも汚れが落ちスッキリ クリーンな状態を取り戻します。
カムシャフトギヤ現状の画像です。
各ギヤが錆で侵食されている状態。
錆の発生で、タイミングベルトが紙やすりで削られる作用が発生しています。
その為タイミングベルトが攻撃され、指定交換時期までタイミングベルトがもたない状態。
錆は、腐食生成物です。
少しでも残っていればその部分から錆は加速度的に侵攻します。
完璧に錆を除去し、再発を完全にシャットアウトしていきます。
まず全てクリーニングアップ。
クリーンな状態から、分解パーツ1つ1つに設定している独自の厳密な数値に適合しているか否かを、全て測定チェック。
チェック項目でメンテナンスが必要であると判断した数値の箇所は、徹底した精度を確実に復元するメンテナンスを実施します。
メンテナンス&クリーニングアップ後のTipo F120Aユニット。
項目毎に回転部分、接合部分、軸受けetc.の加工修正を行い、精度を確実に取り戻すメンテナンスを実施。
独自に設定している厳密な数値に修正。
高次元の構造体に仕上げます。
隅々まで徹底したメンテナンス&クリーニングアップを実施。
メンテナンス&クリーニングアップ後のカムギヤの画像です。
表面もスッキリ、クリーンな状態に仕上げます。
1つ1つのパーツを確実にリセットします。
これでタイミングベルトを攻撃する脅威もなくなり、キッチリとしたバルブタイミングのセットアップも可能になりました。
また、ギヤを錆させていた主原因ポイントも根本からリペア。
このプロセスが非常に重要です。
機能性だけではなく、美しさにもこだわるリペア&メンテナンスをご提供します。
画像左が使用許容範囲を超過したタイミングベルト。
画像右がタイミングベルトのニューパーツ。
タイミングベルトの指定交換時期は、モデルに関わらず手厚く保管されている車輌でも3年 (3年で0kmの走行でも交換)
また3年経過しなくても、前回の交換から2万キロ走行した場合。
どちらか先に達した時点で交換が必須です。
ただし、油脂の漏れや他の諸問題がおこっている場合は別です。
タイミングベルトニューパーツの画像。
私たちは、純正の新品であっても長期に在庫されていたタイミングベルトは使用しません。
また、低価格のOEMパーツも使用しません。
私たちは、品質や管理が行き届いたパーツのみ使用します。
全ての下準備が整ったパワーユニットに、個々のパーツ精度を確実に取り戻したパーツを、独自のノウハウを盛り込み組み込み。
機能性や、精度を完璧に仕上げたパワーユニット。
また、徹底して美しい仕上げを追求。
タイミングベルトカバー現状の画像です。
タイミングベルトカバーを、単品から更にメンテナンス&クリーニングアップしていきます。
タイミングベルトケース メンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
徹底したメンテナンス&クリーニングアップを行い、組み込みに備えます。
構成パーツ一部分 現状の画像。
メンテナンス&クリーニングアップを行います。
メンテナンス&クリーニングアップ後の画像。
再使用パーツをメンテナンス&クリーニングアップ。
組込みに備えます。
通常再使用パーツは、そのまま組み込まれるのが一般的です。
私たちが行うリペア&メンテナンスは、1つ1つのパーツをメンテナンス&クリーニングアップし再使用します。
全ての下準備が整ったパワーユニットに、個々のパーツ精度を確実に取り戻したパーツを、独自のノウハウを盛り込み組み込み。
1台1台手作業で、どれだけ効率的に動力性能を発揮できるかにこだわり組上げます。
クルマではなく芸術作品を生み出すという意識で、丹念に仕上げます。
フロントセクションのメンテナンスへと。
ウォーター系統パイピング&クランプ 一部分の現状の画像。
メンテナンス&クリーニングアップへと。
パイピング&クランプ メンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
ビート部分の水垢も完璧に除去。
隅々までクリーンな状態を取り戻し、組み込みに備えます。
メンテナンス&クリーニングアップは、全ての構成パーツに実施します。
なかなかオーナーが目にする事の無い隠れた部分には、塵や埃、また油汚等が蓄積しています。
分解に伴い、付着している細かな砂や塵をクリーニングアップします。
クリーニングアップ&メンテナンス後の画像。
隅々まで徹底したクリーニングアップを実施。
接続部分を全てメンテナンス。
全ての下準備を整え組込みに備えます。
メンテナンス済みのパーツを組上げる上での、細かい微調整。
最終的な合わせこみが重要です。
私たちのリペア&メンテナンス工程は、徹底したメンテナンス&クリーニングアップ済みパーツを基本装着位置の見直しを図り組込み。
クランプ角度や左右の均一性にこだわり組込み。
私たちは、通常見えないポイントまで独自のクオリティーで徹底したメンテナンス&クリーニングアップを行います。
どの部位においても効率化を求めず、こだわったメンテナンスをご提供します。
エアコン系統のリペアへと。
車輌から分解したエアコンホース。
カシメ部分や、ホース素材は、やはり現在ではクオリティー不足。
純正パーツは、分解したホースと同じ当時の素材や工法のパーツです。
オリジナルにこだわらない場合、使用する素材やクオリティーが格段に高いパーツを厳選し、オリジナルでアップデートパーツを設計&製作します。
私たちが設計、製作したエアコンホース。
国産の厳選素材を使用し、最新の工法で製作。
カシメ部分も最新のクオリティー。
設計、製作の時点で、取り回し角度やクリアランスを最適なポジションに装着できるよう製作しています。
個々の干渉を防ぎ、メカニカルトラブルを抑止します。
機能性と美しさを追求し、最新の技術で設計&製作。
こだわったオリジナルパーツをご提供します。
オリジナルの設計&製作で、取り回しも全て適正化。
全てのクリアランスを左右均等に組込み、美しさにもこだわります。
オリジナリティーを重んじ、且つ最新の技術と素材を駆使しノーマル然とバージョンアップ。
オリジナルホース&ジョイント。
角度の均一性にもこだわり組み込みます。
独自のクオリティーとテクニックで、徹底した特有のメンテナンスを実施。
ハーネスのリペア&メンテナンスへと。
劣化しているハーネスを全て取り外します。
オリジナルで使用する材質やクオリティーが格段に高いパーツを吟味し取り入れ、アップデートパーツを製作します。
オリジナルで設計、製作したハーネスを装着。
設計、製作の時点で、取り回し角度やクリアランスを最適なポジションに装着できるよう製作しています。
個々の干渉を防ぎ、メカニカルトラブルを抑止します。
機能性と美しさを追求。
こだわったオリジナルパーツをご提供します。
ブレーキオイル&クラッチオイルの交換へと。
タンク内部の状態。
使用許容範囲を著しく超えたブレーキオイル&クラッチオイル。
油脂の管理は的確に行うことが必須です。
リザーバータンク内部底に、大気中の水分を吸って加水した浮遊物が貯まっています。
この状態ではブレーキシステム構成パーツに悪影響を与えるばかりか、作動不良またオイル漏れを引き起こしてしまいます。
まず、加水した浮遊物のクリーニングアップから。
リザーバータンク内側を、完璧にクリーニングアップ。
クリーンな状態から専用機器で交換開始。
ブレーキオイル&クラッチオイルは、F40のパフォーマンスに十二分な対応ができるスペックのオイルをチョイスし交換します。
新油はこのように、透明なブレーキオイル&クラッチオイル。
ブレーキオイル&クラッチオイルの交換時期は、オイルの色などでも簡単な判断はできますが、交換基準はあくまで使用期間、水分吸収量、劣化で判断します。
ブレーキオイル&クラッチオイルは吸湿性が高く、大気中の水分を吸収する為、期間の経過と共にオイル内の水分量が多くなり、沸点が下がってしまいます。
ブレーキオイル&クラッチオイルの水分吸収量が多くなると、キャリパーピストンや、クラッチレリーズに錆が発生し、固着や作動不良を引き起こします。
1年毎の交換が必須な油脂の1つです。
ブレーキオイル&クラッチオイル交換と同時に周辺部分また、付属パーツもクリーニングアップ。
私たちが行うごく通常の交換工程です。
エンジンスタート前に、ユニット内部に潤滑オイルを行き渡らせます。
最終チェックも完了。
エンジンスタート。
軽いクランキング音と共にスムーズなアイドリング。
始動時から再度細部までチェック。
水温 油温 油圧 電圧 電流等々インスルメントパネルのメーター上でチェック。
また、メーター上の確認だけでなく、指針と実際のユニットとの誤差が無いかを、ボッシュ製エンジンアナライザーを接続し同時にチェック…
各回転域でのユニットやセンサーまた、制御システムの基本作動のパラメーターを全てチェックします。
パワーユニット&パワートレインのチェックも全て終了。
最終のセットアップでF40のパフォーマンスを引き出します。
サスペンションシステム ステアリングシステム等のクリーニングアップへと。
また、定期的な、足回り&車輌全体のトルク管理が必要です。
フロント サスペンションシステム現状の画像です。
中々オーナーが目にする事の無い部分。
また、雨天使用しなくても、ダストや砂などが付着してしまう部分でもあります。
同じくリヤセクションの画像。
クリーニングアップ&トルクチェック開始です。
フロント / リヤ クリーニングアップ後の画像です。
クリーンな状態から各部のトルクチェックを実施。
きめ細やかなクリーニングアップを随所に施します。
同じくリヤセクション。
今回、サスペンションシステム系統のリペアは行っていません。
使用許容範囲を超えているサスペンションシステムでは、セットアップを行っても車輌に反映されないばかりか、逆に悪影響を及ぼすからです。
今回はクリーニングアップ&トルクチェックのみの実施。
構造体としては、使用許容範囲を超えてしまい車輌の基本骨格を守る大切な役目と、車輌本来の安定した走行フィールをドライバーに約束してくれる非常に大切な構造体の1つです。
次回のリペア、最重点ポイントです。
ホイールのクリーニングアップ&メンテナンスへと。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
4輪全てクリーニングアップ&メンテナンス開始です。
ホイール クリーニングアップ&メンテナンス終了後の画像です。
4輪全て表裏共に、本来の発色を取り戻しました。
プロのレースチームもホイールの磨きは重要な仕事。
タイヤの状態やホイールの変形、キズやキレツ、そしてホイールナットの座面などもチェック。
ワークスチームでも、メカニックの重要な仕事のひとつ。
メンテナンス終了のホイール。
組み込みに備えます。
カウル類のメンテナンス&クリーニングアップへと。
現状のカウル類の画像です。
チェック&リペアまた、メンテナンスに伴い分解した、アンダーカウルやフェンダーライナー類。
私たちの作業は、分解パーツを1点1点クリーニングアップし美観を取り戻します。
また、トラブルを未然に防ぐ事も兼ね、全て組み込み前に表裏共にクリーニングアップします。
クリーニングアップ&メンテナンス後のカウルの画像です。
リペア&メンテナンス同様に、隠れた箇所ほど重要です。
クリーンな状態で組込みに備えます。
各部メンテナンスと同時に施工する独自のクリーニングアップ。
クリーニングアップは、本来の素材を熟知し蘇らせる意味で1番適した仕上げを行います。
ケミカル用品で一時的に艶を出す様な安易仕上げは、一切行いません。
フロア部分現状の画像。
細部までクリーニングアップを行っていきます。
サイドスカート裏側。
まずオーナーには見えない部分。
ピッチ等で汚れています。
隠れた箇所にも一手間かけます。
クリーニングアップ後のシャシーの画像です。
サイドスカート裏側も、スッキリ クリーンな状態に…
クリーンな状態から独自の味付けを施し、F40に潜在するキャラクターを存分に発揮させます。
セットアップ済みのシャシーへ、クリーンなカウル類を組み込み。
カウルの組み込みは、基本装着位置の見直しも図り、1つ1つ丁寧に組み込みます。
全てのチリ合わせや、左右の均一性、ボルトロック状態の位置にもこだわり組み込み完了です。
チェック&リペアまた、メンテナンスに伴い分解したパーツ類。
全て単品から更にクリーニングアップ&メンテナンスを実施します。
クリーニングアップ&メンテナンス後の画像です。
私たちの作業工程は、分解パーツを1点1点クリーニングアップし美しさも取り戻します。
機能性と美しさを、高次元で両立させます。
問われるのはリペア技能だけではないと思います。
知識、論理、トラブルシューティング、センスなど、メンテナンスという分野においてすべての要素を高次元で行う必要があると考えます。
F40 LM 専用バケットシートへの換装。
F40 LM 専用バケットシート用シートレールを設計、製作中。
これまでにないローポジションを具現化させます。
必要なパーツは全て設計、製作します。
ローポジションを具現化させたシートレールにF40 LMのフルバケットシートを装着。
R/H L/H共に設計、製作、組み込み。
低い視界がフロントスクリーンに広がります。
その結果、乗りやすい=リスクを回避できる=積極的にアクセルを踏んでいけドライビングに集中できる。
この法則が大切。
リペアメンテナンス後の最終チェック&セットアップ。
Tipo F120Aユニットの基本原理やマイクロプレックス構造を熟知したエンジニアがセットアップします。
また、独自のセットアップを施しF40のポテンシャルを余す事無く引き出します。
最終の詰めです。
このプロセスが重要です。
独自のセットアップも終了。
最終クリーニングアップ実施後のエンジン&エンジンルーム。
分解時、各パーツ単品でクリーニングアップ&メンテナンスを行っているので隅々までスッキリ クリーンな状態を復元。
各部のクリーニングアップや、精度を取り戻すメンテナンス等、特別な費用等は必要ありません。
私たちのごく通常のメンテナンス工程の一貫だからです。
エクステリア&インテリアも最終仕上げ終了です。
メンテナンス同様、仕上げにもこだわります。
全てのリペア&メンテナンス 終了のフェラーリ F40。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の一部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全てのリペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影しています。
詳細な写真 715枚 (CD-R 5枚に落としてあります)及び、今回のメンテナンス内容また、今後のメンテナンスメニューも分かり易く作成していますので、車輌と一緒にお持ちします。
いつもメンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。
Ferrariや、Lamborghini は、どのモデルに関わらず工業製品であって美術品でもあります。
この様な車輌をメンテナンスさせて頂くにあたって、車輌に対してのオーナーの思いや、価値観を理解し、常に業務に携らせて頂いています。
車輌を常に向上させ完璧なコンディションに近づけ後世に残していく。
トラブルの解析なども常に的確なトラブルシューティングを行い、根本からトラブルをリペアし、構造を熟知した上でセットアップを行い、100%のポテンシャルを発揮できる車輌に仕上げていく。
独自のノウハウとテクニックまた、専用の最新設備で車輌のポテンシャルを余すことなく発揮させキャラクターを取り戻す。
また、何処を見ても綺麗。
隠れた所にも気遣いをする。
効率にとらわれず、1台1台の車輌を仕上げていく。
もし、僕自身の車輌なら、ここまで徹底的にして欲しい。
そういったメンテナンスを実施する車輌だと僕は思いますし、その思いを皆さんの車輌にも日々向上心を持って実践しています。